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コミュニケーション手法「アサーション」

相手を傷つけず、なおかつしっかり自分の主張を行う「アサーション」というコミュニケーション手法を紹介します。ビジネスにおいては同僚や上司、部下、クライアント、協力会社など、人と接する場面が多く、コミュニケーションスキルがとても大切になってきまます。

近年ではハラスメントへの意識の高まりもあり、間違った言動がパワハラへとなってしまう可能性もあります。ビジネスのみならず、家族や恋人、友人関係といったプライベートにおいても、人として社会生活を送るにあたって、コミュニケーションスキルは必要不可欠になります。何千何百年、そのまた昔から人々の多くの悩みの種になっているのが人間関係となりますが、そうしたコミュニケーションの場で力を発揮するスキルがアサーションです。自分と相手双方を大切にし、円滑に物事を進めていくためのテクニックなので、知っておいて損はないでしょう。

■自己主張の3つの種類
アサーションのコミュニケーション手法の前に、先ずは自己主張のパターンを抑えておきましょう。自己主張のパターンは、主に3つに分かれます。自分のパターンと、それ以外も理解しておくことが大切です。同じ人物であっても、環境や場面において、パターンは変動していきます。

①アグレッシブ
他人に配慮せず、ただ自分の意見を強く主張する攻撃タイプです。特徴は、

・思ったことをズバズバ言ったり大声を張り上げたりと主張が強い
・自分の意志を全うするためであれば、明確な悪意が伴うこともある
・勝ち負けで物事を決める(いわゆるマウンティングを好み、常に優位に立とうとする)
・精神的に幼い

などです。割合的には結構多く、チームの成果や組織の成長ではなく、相手に勝つ、または自分の意見を正しいと認めさせるということが目的となると、組織に大きな損害を与えることがあります。
エヴァンゲリオンでいうところのアスカ、ドラえもんでいうところのジャイアンです。

②ノン・アサーティブ
自己主張が苦手で、相手に合わせようとする意識が強い非主張タイプです。特徴は、

・自己主張が控えめ、もしくは苦手
・物静かな性格といった印象
・曖昧な言い方でかわすことを好む
・相手に否定されたくない
・言い訳が口癖になっている

などです。アグレッシブと真逆の位置付けともいえるでしょう。アグレッシブのような面倒くささはないものの、意見・主張が無いように見えたり、言い訳が多かったりすることもあるため、組織の一端としては、やや扱いづらい印象を与えます。
エヴァンゲリオンでいうところのシンジくん、ドラえもんでいうところののび太です。

③アサーティブ
相手へ配慮しつつも、自分の意見を大切にするタイプです。特徴は、

・自分の気持ちを率直に伝えつつ、なおかつ相手の気持ちも考えられる
・場の空気まで重んじる
・適宜表現をチョイスできる
・アサーティブ型を人に薦められる

などで理想的なタイプともいえます。アグレッシブとは違い、人間関係も適切に構築することができ、ノンアサーティブが抱えがちな後悔なども残りにくいバランス型です。
エヴァンゲリオンでいうところの加持さん、ドラえもんでいうところの、しずかちゃんです。

■アサーティブなコミュニケーション方法
アサーティブを身に付けるためのいくつかの手法を取り上げます。

①会話のゴールを設定する
お互いなんとなく会話を始めるのではなく、会話に入る前に、その会話のゴールを設定しましょう。例えばビジネスで結果を出すための会話であれば、課題に対する具体的な解決策を提示し、すりあわせることが必要になります。

また会話のゴールを関係性の構築に置くのならば、相手や自身の状況を共有し、理解するために時間を使いましょう。
会話のゴールを設定して話すだけでその時間のコミュニケーションの質が変わってきます。

②You(あなた)ではなくI(私)から始めるコミュニケーション
「あなた」を主語にすると相手を責める口調になりやすいですが主語を「私」に変えると、自分の主張を相手を傷付けずに伝えられます。アグレッシブパターンの人は、I(私)から始めるコミュニケーションを意識してみるといいでしょう。

You(あなた):「(あなたは)いつもどうしてそう報告書の提出が遅いのか」
I(私):「(私は)あなたの報告書が早いと助かるよ」

「~すべきだ」「~しなさい」と断定、支配、命令的な主張ではなく「~して欲しい」というお願いの表現を使うと、互いの意見が違っても話し合いの余地が生まれす。

③否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉にする
「~できない」という否定的な言葉は相手が受け入れにくいものです。しかしながら、日常の場面でも、職場でも否定的な言葉を言わなければならないことはあります。否定したくないから曖昧にして言葉を濁すのは問題外でしょう。

「明日の納期は厳しいのですが、明後日の早朝でしたらなんとかなりますがどうでしょうか」というように否定で終わらせず、前向きな善処策を一緒に提案することで、相手は受け入れやすくなります。

④DESC法
アサーションスキルを体系的にまとめた方法で、アサーションを以下の4つに分類しています。自身の話したいことを4段階に分類して伝えることで、相手を尊重し衝突を回避したうえで、具体的な案を探る方法です。

『D』:Describe(描写する)客観的に状況・事実を伝える
『E』:Express(表現する)自分の意見や感情を表現する
『S』:Specify(提案する)相手に求めているものを言葉で伝え、提案する
『C』:Consequences(結果を伝える)提案したものの実行/不実行による結果を伝える

このように伝えたいことを整理しておくと、スムーズに相手に意見を伝えることができるようになります。

⑤ABCDE理論
Activating event、Belief、Consequence、Dispute、Effectsの頭文字を取ったもので、それぞれ次のような意味を持ちます。

『A』:Activating event(出来事)
『B』:Belief(信念:受け取り方や感じ方)
『C』:Consequence(結果としての感情や行動)
『D』:Dispute(非合理的なBに対する反論)
『E』:Effect(Dによる効果)

つまり出来事があって結果があるのではなく、その間に受け取り方や感じ方による解釈があり、結果があるという考え方です。不適切な信念をもっていると、出来事は誤った解釈によってネガティブな結果を生むことになります。ABC理論を用いて不適切な受け取り方を修正し、合理的で健全な受け取り方に書き換えることがこの理論の目的です。

■伝える際の心構え
最後、上記のような手法を理解していたとしても、伝える自信や勇気がなければ良いコミュニケーションにはなりません。アサーティブな関係を作るために4つの心構えをもって臨みましょう。

①誠実:相手に対しても自分に対しても、誠実にごまかさないようにする
②率直:簡潔に具体的に、相手に伝わるように話す努力をする
③対等:相手を一人の人間として尊重し、自分自身も卑屈にならないようにする
④自己責任:会話によって生まれた結果を他人のせいにしないようにする

アサーションはビジネスでもプライベートでも、いろいろな場面で活用できます。自分の気持ちも相手の気持ちも大切に、双方にとって心地よいコミュニケーションを行っていましょう。

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